家庭内UPS選定と設定(モデム・ルーター用)

ネット回線の維持はライフラインの確保

停電時、スマホの電波が混雑して繋がりにくくなることは珍しくない。家庭内のモデムやルーターを UPS(無停電電源装置)に接続しておけば、停電中も光回線と Wi-Fi を通じた安定した通信を維持できる。また、瞬停(一瞬の電圧低下)による機器の再起動や故障を防ぐ役割も果たす。

モデム・ルーター用としての選定基準

  • 常時商用給電方式: 家庭用として最も一般的で安価な方式だ。通常時はコンセントの電気をそのまま流し、停電時にバッテリーへ切り替える。通信機器の維持にはこれで十分な性能を発揮する。
  • 矩形波(くけいは)と正弦波(せいげんば): ルーターの多くは AC アダプタを使用するため矩形波でも動作することが多いが、PC や NAS と兼用する場合は、家庭用コンセントと同じ滑らかな波形を出す正弦波モデルを選ぶのが無難だ。
  • 出力容量の計算: モデムとルーターの消費電力は合計 20W 前後と非常に小さい。350VA から 500VA 程度の小型モデルでも、数時間は通信を維持できる。

設置と配線の実務

  • 優先順位を絞る: UPS のコンセント口数には限りがある。モデム(ONU)、ルーター、IP 電話用アダプタを優先し、プリンターなどの消費電力が大きい周辺機器は接続しない。
  • バッテリー保護コンセントの確認: UPS には「停電時にバックアップする口」と「サージ保護(雷対策)のみの口」が混在している。必ずバックアップ用の口に通信機器を接続する。
  • 通気の確保: UPS も動作中に熱を持つ。棚の奥に押し込まず、周囲に空間を作って設置する。

運用のための設定と保守

  • アラーム音の消音設定: 停電時に警告音が鳴り続けると、夜間などはストレスになる。多くのモデルでは専用ソフトやボタン操作で消音設定ができる。
  • 定期的なセルフテスト: UPS 自体が故障していては意味がない。半年に一度はテストボタンを押すか、あえてコンセントを抜いて、ルーターが止まらずに稼働し続けるかを確認する。
  • バッテリー寿命の管理: UPS の内蔵バッテリーは 3 年から 5 年で寿命を迎える。本体の交換ランプが点灯する前に、ライフサイクル管理の一環として交換時期をスケジュールしておく。

雷サージ対策としての側面

  • 通信ラインの保護: 雷は電源線だけでなく、電話線や LAN ケーブルからも侵入する。一部の UPS には LAN ケーブルの差し込み口があり、そこを経由させることでルーターの基板を雷から守ることができる。