当ページは検証・整備中のドラフトです。
内容は実環境での検証や追加調査により変更される予定です。
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目的
バックアップの設計に着手する前に、自身の環境に存在する重要データを把握することを第一の目的とする。さらに、ここで作成する一覧を、後続のバックアップ方針策定および各種バックアップ実装を進めるための前提資料(ベースライン)とすることを第二の目的とする。
すべてのデータを同じ方法で一律に保護することは、コストや手間の観点から現実的ではない。まずは完璧な正確さを求めるよりも、全体像を素早く掴むことが大切である。本工程では、以下の要素を可視化し、整理する。
- 何を守るべきか(データの種類)
- どのデータを優先すべきか(重要度の度合い)
実践手順
まずは主要な部分を書き出し、細かな情報は後から追記すればよい。この段階では正確さよりも全体像の把握を優先し、以下の手順に沿って手元でリストを作成する。
保有しているデータを洗い出す
最初に重要度を考慮せず、現在保存しているデータをすべて列挙する。
- 小規模組織(SOHO等)の例:顧客情報、見積書、請求書、会計データ、FileMakerデータ、業務メール、契約書
- ホームネットワークの例:写真、動画、家計簿、パスワード管理データ、個人文書、趣味データ
保存場所を整理する
列挙したデータが現在どこに保存されているかを確認する。
1つのデータが複数の場所に存在する場合はすべて記録する。
- 確認対象の例:デスクトップPC、ノートPC、NAS、スマートフォン、タブレット、クラウドストレージ、外付けHDD、USBメモリ
失われた場合の影響を考える
各データが消失した場合に発生する具体的な不利益を想定する。「消えたらどうなるか」という客観的事実のみを基準にする。
- 顧客情報:業務継続が困難になる
- 会計データ:経理処理が停止する
- 写真・動画:二度と再取得ができない
- パスワード管理データ:多数のサービスへアクセス不能になる
再取得可能かを確認する
失われた際、外部から再ダウンロードや再発行によって用意できるものと、そうでないものを明確に分類する。
- 再取得できるもの:ソフトウェアインストーラ、市販コンテンツ、公開済みのダウンロード可能な資料
- 再取得が困難なもの:顧客データ、会計データ、写真、動画、独自に作成した業務文書、パスワード情報
優先度を分類する
洗い出したデータを、消失時の影響度と再取得の難易度をベースに、以下の3段階へ分類する。
分類はあくまで一例なので、自分の環境に応じて判断すること。
- 最重要(失われると復旧が極めて困難):顧客情報、会計データ、写真、パスワード管理データ、既存のバックアップデータ
- 重要(再作成は可能だが、業務や生活への負担が大きい):業務文書、契約書、メール
- 一般(再取得や再生成が容易):インストーラ、一時ファイル
バックアップ対象を確定する
「最重要」および「重要」に分類したデータを、今後のバックアップ対象として確定し、1つの表にまとめる。
| データ名 | 現在の保存場所 | 重要度分類 |
|---|---|---|
| 顧客情報 | NAS | 最重要 |
| 写真 | NAS | 最重要 |
| 会計データ | PC | 最重要 |
| 契約書 | OneDrive | 重要 |
運用・検証ルール
導入に伴うデメリットと運用の障壁
本工程における最大の障壁は、データの「抱え込み」による運用の形骸化である。すべて重要扱いすると優先順位が付かなくなり、限られた予算や容量を本当に守るべきデータへ集中できなくなる。リスク削減の効果を最大化するためには、不要な一時ファイルなどを厳密に対象外とする割り切りが必要である。
また、以下の失敗パターンに陥らないよう注意したい。
- 機器だけを見てデータを見ていない:バックアップで守る対象はNASやPCという「箱」ではなく、その中に格納されている「データそのもの」である。
- 写真や動画を軽視する:ホームネットワークにおいては、業務データが存在しない代わりに、写真や動画が代替の利かない最重要資産となる可能性が高くなる。
- クラウド上のデータを対象外にする:Google DriveやOneDriveなど、同じネットワーク内に混在していない外部の場所に置かれたデータも、同期ミスやアカウントロックによる消失リスクがあるため、保護対象に含めるべきとされる。
検証確認
作成したリストが実戦で機能するかどうかを、作成した一覧を見ながらチェックする。
- 保有している重要データが漏れなく網羅されているか
- それぞれのデータがどの機器(またはクラウド)に保存されているか
- それらのデータは本当に再取得が不可能なものか
- 重要度の分類基準にブレがないか
- 最終的なバックアップ対象が確定しているか
成功条件
以下の状態が客観的に判別できる形で整っていることを達成条件とする。
- 保有データが一覧化されていること
- 各データの保存場所が整理されていること
- 再取得の可能性(可否)が明確に整理されていること
- 失ってはならない最重要データが特定されていること
- バックアップを行うべき対象が確定していること
および、この後に行う下記作業に活用できる状態であること
- クラウドバックアップの限界確認
- バックアップ方針の策定
- ローカルバックアップの実装
