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目的
オンラインストレージは複数の端末間でデータを共有できる便利なサービスだが、同期とバックアップを正しく認識していないことによるインシデントも多々発生している。
ここでは、同期とバックアップの違いを理解し、クラウド同期への過度な依存によるデータ消失を防ぐための考え方を整理する。
同期とバックアップは目的が違う
同期とバックアップは似ているように見えるが目的が異なる。
同期
- 複数端末のデータを同じ状態に保つ
バックアップ
- データを復旧できる状態で別に保管する
同期は利便性のための機能であり、バックアップは復旧のための機能で、同じものではない。
同期では削除も同期される
同期機能では変更内容が他の端末やクラウドへ反映される。
- ファイルを削除した
- フォルダ名を変更した
- 内容を上書きした
場合、その変更も同期される。
つまり誤操作も同期されることになり、同期先のデータも同じ状態に変更される。
ストレージサービスによっては下記ような機能を提供している場合もあるが、バックアップとは異なるので仕組みや制限事項が曖昧なまま、非常時のアテにするのは危険である。
- ゴミ箱機能(削除したファイルを一定期間保存)
- 世代管理(個々のファイルの変更履歴を管理しその時点まで戻せる)
ランサムウェアによる暗号化も同期される
ローカルデバイスがランサムウェアに感染しデータが暗号化されると、同期機能経由でクラウドのファイルへも暗号化が反映される。
加えて、ランサムウェアの場合は上記の「誤操作による連鎖同期」より深刻な事態になる場合が多く、たとえばこのようなことが起こり得る。
- 同期OFFにしていてもクラウド内データも暗号化/削除される
- クラウドのゴミ箱機能の中身も削除される
- 世代管理データも削除される
これは攻撃者側が「クラウドのデータも無効化し身代金を払わざるをえない状況にするために」行なう。
同期がバックアップになるケースならないケース
このように同期は基本的にバックアップにはならないが、バックアップになるケースもある。
- スマホを紛失した・盗まれた
- NASのディスクが故障した
- NASの本体が故障した
これらの場合は同期したクラウドデータが無事に残っている可能性も十分にある。つまりは、ハードの故障対策や広域障害・災害対策としては、オンラインストレージがバックアップとしても機能する。
一方で、上記連鎖同期に加えてオンラインストレージ特有のリスクもあり、こちらはバックアップにならない。
- アカウント停止
- サービス障害
- サービス終了
これらから考えると、オンラインストレージは3-2-1バックアップの一部分として使う・重要なデータは別の場所にも保管するなど、利便性は活用しつつバックアップ先として過度な依存はしないようにしなければならない。
自身の環境に当てはめて考える
現在利用しているオンラインストレージとその周辺環境について下記を確認しておく
オンラインストレージ
- ゴミ箱機能の削除期限や容量上限
- 世代管理機能の有無、ONOFF状態
周辺環境
- 復旧用のコピーは別に存在するか
- コピー取得のタイミング、取得ルール
まとめ
以下が理解できていれば完了とする。
- 同期とバックアップは目的が異なること
- 同期では削除や誤操作も反映されること
- ランサムウェア被害も同期されより深刻な被害を招く場合があること
- クラウド保存だけでは十分なバックアップにならないこと
- 復旧用のコピーを別途保管する必要があること
