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Time Machineは、macOSに標準搭載されているバックアップ機能である。Macを定期的に自動バックアップし、誤削除したファイルだけを復元したり、バックアップ時点のMac環境へ戻したりできる。
本サイトでは、Time Machineを3-2-1バックアップとは異なる「高速復旧用ローカルバックアップ」と位置付ける。
NASやオンラインストレージが媒体故障や広域災害へ備える仕組みであるのに対し、Time MachineはMacを短時間で復旧させることを目的としたバックアップである。
そのため、Time Machineだけでバックアップを完結させるのではなく、他のバックアップ方式と役割を分担して利用する。
本サイトでのTime Machineバックアップの位置づけ
Time Machineは、Macを日常的な障害や誤操作から素早く復旧させるローカルバックアップとして非常に優れている。一方で、バックアップ媒体がMacと同じ場所にある限り、火災・水害・盗難などではバックアップも同時に失われる可能性がある。
また、後述するが、Time Machineは、細かなバックアップポリシーを設計するためのソフトウェアではない。
一方で、macOSへ標準搭載されており、自動バックアップ・世代管理・復元機能が統合されているため、追加ソフトを導入することなく高速復旧環境を構築できる。
本サイトでは、この導入性と復旧速度の高さを活用し、Mac利用者が最初に採用を検討したいローカルバックアップとして位置付け、それぞれの役割を次のように分ける。
- Time Machine:Macの短時間復旧用
- ローカルバックアップ:3-2-1バックアップの起点
- オンラインストレージ・別拠点バックアップ:広域災害への備え
- イミュータブル・エアギャップ:ランサムウェアへの備え
Time Machineで できること/できないこと
Time Machineでできること
Time Machineには次のような機能がある。
- Mac環境の自動バックアップ
- ファイル・フォルダ単位の復元
- Time MachineバックアップからMac環境の復元
- 差分バックアップ
- 自動的な世代管理
日常的なバックアップをほぼ自動化できるため、バックアップ忘れを防ぎやすい点もメリット。
Time Machineでできないこと
一方で、Time Machineはバックアップポリシーを細かく設計する用途には向かない。
例えば次のようなことは基本的に行えない。
- データ種類ごとにバックアップ頻度を変更する
- データ種類ごとに保持世代を設定する
- 保存期間を自由に指定する
- バックアップ対象を自由に選択する(除外方式のみ)
そのため、
- システムは月1回
- 業務データは毎日
- 写真は毎週
といった細かなバックアップ方針を構築したい場合は、NASや専用バックアップソフトなどを利用した方が適している。
Time Machineの特徴
差分バックアップで効率よく保存する
初回バックアップ以降は変更されたデータだけを保存するため、バックアップ時間や保存容量を抑えやすい。継続的なバックアップでも利用者の負担が少なく、日常利用との相性が良い。
自動で世代管理する
Time Machineはバックアップを時系列で管理し、保存容量が不足すると古いバックアップから自動的に削除する。利用者が世代管理を細かく設定する必要はない反面、保持世代数や保存期間を指定することもできない。
そのため、「3か月前のバックアップを必ず残したい」といった厳密な保持ポリシーには向かない。
長期間の保存や保持期間を明確に管理したい場合は、NASや専用バックアップソフトなどと役割を分担して運用する必要がある。
ファイル単位・Mac環境の両方を復元できる
誤って削除したファイルだけを復元することもできる。
また、故障やストレージ交換後には、Time Machineバックアップからバックアップ時点のMac環境を復元できる。
Time Machineを利用するメリット・デメリット
メリット
- macOS標準機能で追加ソフトが不要
- 自動バックアップで運用負荷が小さい
- 差分バックアップで効率よく保存できる
- ファイル単位でもMac環境全体でも復元できる
- 高速復旧環境を容易に構築できる
デメリット
- Mac専用である
- 広域災害対策にはならない
- バックアップポリシーを細かく設計できない
- 明示的に世代管理できない(保存容量が不足すると古いバックアップから自動削除)
Time Machine の運用方針
バックアップ先を準備する
Time Machineでは、外付けSSDや外付けHDDなどをバックアップ先として利用できる。
高速復旧を重視する場合はSSD、大容量を低コストで確保したい場合はHDDが向いている。
NASもバックアップ先として利用できるが、AppleはTime Machine専用ディスクとして利用することを推奨している。本サイトでも、高速復旧用バックアップとして利用するのであれば、専用の外付けSSDまたはHDDを用意する構成を推奨する。
バックアップ頻度を決める
Time Machineでは次の頻度を選択できる。
- 手動
- 自動で1時間ごと
- 自動で1日ごと
- 自動で1週間ごと
バックアップ媒体の容量・バックアップ容量やデータの増え方など、個々の利用状況に応じて適切な頻度を選択する。
バックアップ対象を整理する
Time Machineは基本的にMac全体をバックアップする。
保存対象を個別に選択する方式ではなく、不要なデータだけを除外する方式で運用する。
まとめ
- Time MachineはMacを高速復旧するためのローカルバックアップである。
- 3-2-1バックアップとは役割が異なる。
- 自動バックアップ・差分バックアップ・世代管理に優れる。
- 保持期間や世代数を細かく設計する用途には向かない。
- ローカルバックアップや遠隔地バックアップと組み合わせることで、障害の種類ごとに役割を分担したバックアップ環境を構築できる。
- Time MachineはMacを素早く復旧させることに特化したバックアップであり、3-2-1バックアップを置き換えるものではない。
