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NASは、ファイル共有やバックアップ先としてSOHOや小規模組織、ホームネットワークなどで利用されており、重要なデータが集約されるため、ランサムウェアを含むサイバー攻撃の標的にされることも多々ある。

NAS本体のOSや追加パッケージに脆弱性が残っている場合、攻撃者に悪用され、不正アクセスやデータの窃取につながる。

こうしたリスクを抑えるには、メーカーが提供する更新情報を確認し、NASの利用状況に応じてアップデートを継続することが重要である。

NAS本体と追加パッケージの更新対象

NASのアップデートでは、本体のOS・ファームウェアに加え、追加で導入したパッケージやアプリケーションも管理対象とする必要がある。

SynologyのDSMやQNAPのQTS・QuTS heroなど、多機能なNASではメーカー独自のOSが使用されており、また、ファイル共有以外にもバックアップ、リモートアクセス、メディア管理などの機能を追加できる製品がある。

これらの追加機能は、NAS本体とは別にアップデートが提供される場合があるため、本体OSだけでなく、インストール済みのパッケージも確認する。

メーカーのセキュリティ情報と更新優先度

更新の必要性を判断する際は、Synology、QNAP、BUFFALO、I-O DATAなど、利用しているNASのメーカーが公開するセキュリティ情報やリリースノートを確認する。特に、外部からアクセスできる機能に重大な脆弱性が見つかった場合は、優先的に対応する。

通常の機能改善や軽微な修正は定期メンテナンスで対応し、悪用が確認されている重大な脆弱性については、通常の更新日を待たずに適用を検討する。

ファイル共有・バックアップ運用を考慮した更新準備

NASのアップデートでは、再起動やサービス停止によって共有フォルダやバックアップ機能が一時的に利用できなくなる場合がある。

そのため、作業前には利用者の接続状況やバックアップジョブの実行予定を確認し、業務への影響が小さい時間帯を選ぶことが推奨される。

また、RAIDの再構築やストレージの修復処理が進行している場合は、原則として処理の完了を待ってから更新する。更新に伴う再起動によって処理が中断され、データの整合性や復旧作業に影響することを避けるためである。

合わせて、アップデートに失敗した場合に備え、重要なデータのバックアップと、NASの設定を復旧する手段もあらかじめ確認しておく。

メーカー別のアップデート方法と動作確認

NASのアップデートは、一般的にメーカーが提供する管理画面や専用ユーティリティから実施する。

代表的な製品の更新方法は次のとおり。

メーカー主な更新手段
SynologyDSMの更新機能、パッケージセンター
QNAPファームウェア更新機能、App Center
BUFFALO管理画面のファームウェア更新機能など
I-O DATA管理画面や製品別の更新ツールなど

※更新機能や操作方法は製品によって異なるため、実際の作業は各メーカーの公式マニュアルに従う。

アップデート後は、NAS本体が正常に起動していることに加え、共有フォルダへのアクセスやバックアップジョブなど、利用中の主要機能を確認する。

追加パッケージを利用している場合は、それらの更新状況や動作にも注意する。

自動更新・通知設定とサポート終了への対応

NASには、アップデートの自動適用や更新通知に対応する製品も多い。

自動更新は修正の適用漏れを防ぐうえで有効だが、予期しない再起動やサービス停止が発生すると利用に影響する。自動更新を利用する場合は、実行時間帯を指定できるか確認し、可能であれば利用者やバックアップジョブへの影響が小さい時間帯に設定する。

常時稼働が必要なNASでは、更新通知を受け取り、メンテナンス時間帯に手動で適用する運用も考えられる。一方、管理者が頻繁に確認できない環境では、自動更新を利用することで脆弱性の放置を防ぎやすくなる。

また、メーカーによる更新提供が完全に終了したNASは、新たな脆弱性が発見されても修正されない。継続利用する場合は、外部アクセスの制限などでリスクを抑えつつ、機器の更新を計画する。