フルバックアップ・差分バックアップ・増分バックアップとは|バックアップ方式の違いを理解する

当ページは検証・整備中のドラフトです。
内容は実環境での検証や追加調査により変更される予定です。
参照:ページ公開・更新ポリシー

バックアップには、対象となるデータをすべて保存するフルバックアップと、変更されたデータを保存する差分バックアップ、増分バックアップがある。

方式によってバックアップに必要な時間や保存容量、復元方法が異なる。それぞれの特徴を理解し、データ量や取得頻度、復元に求める条件に応じて使い分ける。

フルバックアップとは

フルバックアップは、バックアップ対象となるデータをすべて保存する方式である。

例えば100GBのデータを対象とする場合、前回から変更されていないデータを含め、対象全体をバックアップする。

復元時には基本的に1回のフルバックアップからデータを戻せるため、構成が単純で復元しやすい。一方、毎回すべてのデータを保存するため、取得に時間がかかり、保存容量も大きくなりやすい。

データ量が比較的小さい場合や、バックアップ時間と保存容量に余裕があり、復元の単純さを優先する場合に利用しやすい。

差分バックアップとは

差分バックアップは、直近のフルバックアップから変更されたデータを保存する方式である。

例えば月曜日にフルバックアップを取得した場合、火曜日は月曜日からの変更分、水曜日は月曜日から水曜日までの変更分をバックアップする。

毎回すべてのデータを保存する必要がないため、フルバックアップより取得時間や保存容量を抑えやすい。復元には基本的に、直近のフルバックアップと復元したい時点の差分バックアップを使用する。

一方、フルバックアップから時間が経過して変更されたデータが増えるほど、差分バックアップの容量も大きくなる。

バックアップの負荷を抑えながら、復元に必要なバックアップの構成を比較的単純にしたい場合に利用できる。

増分バックアップとは

増分バックアップは、前回のバックアップから変更されたデータを保存する方式である。

例えば月曜日にフルバックアップを取得した場合、火曜日は月曜日からの変更分を保存する。水曜日は月曜日からではなく、火曜日のバックアップ以降に変更されたデータだけを保存する。

1回ごとに保存するデータ量を小さくしやすいため、バックアップ時間や保存容量を抑えやすい。

一方、一般的な増分バックアップでは、復元する時点までの増分データが必要となるため、フルバックアップや差分バックアップより復元処理が複雑になりやすい。

データ量が多い場合や、短い間隔でバックアップを取得する場合などに適している。

3つのバックアップ方式の違い

それぞれの一般的な特徴を比較すると、次のようになる。

方式保存するデータバックアップ時間保存容量復元
フル対象となるデータ全体長くなりやすい大きい単純
差分直近のフル以降の変更分徐々に長くなりやすい徐々に大きくなりやすいフル+対象時点の差分
増分前回のバックアップ以降の変更分短くしやすい小さくしやすいフル+必要な増分

実際のバックアップ時間や保存容量、復元方法は、バックアップ製品の仕組みやデータの変更量によって異なる。

バックアップ先と方式

フル・差分・増分はバックアップの方式であり、外付けHDD、NAS、クラウドなどの保存先とは別の概念である。

外付けHDDでもNASでも、バックアップソフトや機器が対応していれば複数の方式を利用できる。データ量が少なければ毎回フルバックアップする方法でも運用しやすく、データ量が多い場合や頻繁に取得する場合は、差分や増分によって時間や保存容量を抑えられる。

保存先だけで方式を決めず、データ量、変更量、取得頻度、保存容量、復元に求める時間などから判断する。

クラウドストレージとバックアップ方式

Google DriveやOneDriveなどの同期型クラウドストレージは、利用者がフル・差分・増分のいずれかを選択してバックアップする仕組みとは異なる。

変更されたファイルやデータがクラウドへ同期され、サービスによっては過去のバージョンも保持される。この仕組みを、そのまま増分バックアップと考えることはできない。

一方、クラウドを保存先として利用するバックアップ製品では、変更されたデータだけを転送するなど、通信量や保存容量を抑える仕組みが利用されることがある。

バックアップ製品による違い

バックアップ製品によっては、フル・差分・増分を組み合わせたり、これらを内部で自動的に管理したりする。

利用者が方式を直接選択せず、復元したい日時を指定するだけで必要なデータが復元される製品もある。

そのため、方式の名称だけで選ぶのではなく、必要な頻度でバックアップできるか、保存容量をどの程度使用するか、必要な時点へどのように復元するかを確認する。

世代管理との違い

フル・差分・増分は、どのデータをバックアップとして保存するかを表す方式である。

世代管理は、取得したバックアップを複数の時点にわたって保持し、過去の状態へ戻せるようにする仕組みを指す。

両者は別の概念であり、フル・差分・増分のいずれを利用する場合でも、複数の世代を保持する構成を取ることができる。

参考:世代管理とは