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ネットワーク機器におけるカントリーリスクは、大企業や政府機関では、政情や外交関係、法制度の変化によって、現在利用している製品やサービスを継続して調達・運用できなくなるリスクを指すことが多い。
一方、家庭やSOHOでは、特定メーカーの製品を大量に導入しているケースはほとんど無く、必要であれば別メーカーへの買い替えも比較的容易である。
そのため、小規模環境では「継続的な調達が可能か」という理由ではなく、その機器自体が持つリスクや、自分の利用目的やポリシーに照らして受け入れられるかという視点で考えることができる。
ここでは、小規模環境におけるネットワーク機器のカントリーリスクの考え方を整理する。
カントリーリスクとは
カントリーリスクとは、ある国や地域に起因して発生するリスクを指す。
例えば
- 法律
- 政治体制
- 国際情勢
- 経済制裁
- 紛争
- 外交関係
などが製品やサービスの利用へ影響することがある。
ネットワーク機器で話題になる理由
ネットワーク機器は、すべての通信が通過する重要な機器である。
例えば
- ルーター
- スイッチ
- アクセスポイント
- ファイアウォール
などはネットワーク全体を管理する立場にあり、一度侵害されると、ネットワーク全体の通信や接続機器へ影響が及ぶ可能性があるため、他の周辺機器より慎重に選定される必要がある。
検討される観点
ネットワーク機器を選定する際には、性能や価格だけでなく次のような観点も検討される。
企業・国に関する点
企業の所在地によって適用される法制度や、政治・外交上の影響が異なるため、それらが製品やサービスの信頼性に影響することがある。
- 開発企業の所在地
- 企業の透明性や運営体制
- 法制度
製品に関する点
企業や国だけでは判断できない、製品そのものの安全性や運用体制も重要である。これらはカントリーリスクではなく製品リスクに関わる項目だが、合わせて判断材料にしたい。
- セキュリティアップデートの提供体制
- 長期サポート
- ソースコード公開状況
- 第三者認証
- 政府・業界団体の採用実績(より厳しい基準の政府機関や企業で採用されているか)
これらを総合的に判断する。
カントリーリスクだけで判断しない
製造国だけで安全性や危険性を判断できるわけではない。
開発国、設計国、製造国、部品調達国は異なることも多く、また、多くの製品は世界中の部品やソフトウェアで構成されている。
一つの企業にも多様なバックグラウンドを持つ人員が働いており、製造国や所在地だけで安全性を判断することもまた難しい。
小規模環境ではどう考えるか
家庭やSOHOでは、自分のポリシー・実際に発生したインシデント情報・価格などで選べるため、大企業より柔軟に判断基準をコントロールできる。
- 特定の機器やメーカーを避けることでかかるプラスアルファのコスト
- 数年の使用期間の安心感
- インシデント発生時の、その機器を起点として考えられる影響範囲
もちろん
- 機器としての使いやすさ
- 耐久性・安定性
といった点も、使う上での安全性の確保に重要となる。一つの判断材料だけで決めるのではなく、自分が受け入れられるリスクかどうかという視点で考えることが重要である。
まとめ
- カントリーリスクは国や地域に起因するリスクである
- ネットワーク機器は通信の中核を担うためインシデント発生時のリスクが大きい
- 性能や価格だけでなく運用・法制度も判断材料になる
- 製造国だけで安全性を判断することはできない
- 家庭やSOHOでは自分のポリシーに合わせて総合的に判断する
カントリーリスクは「ある国の製品を使うべきか」を決めるためではなく、「何を根拠に判断するか」を整理するための考え方である。
