一般ユーザー権限と管理者権限を使い分ける|誤操作やマルウェア被害を限定する

当ページは検証・整備中のドラフトです。
内容は実環境での検証や追加調査により変更される予定です。
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目的

  • 一般ユーザー権限と管理者権限の違い
  • なぜ日常利用では一般ユーザーが推奨されるのか
  • Windows・macOS・スマートフォンでの考え方の違い

このページでは、上記の理解を目標とする。

権限分離の考え方はOSによって異なる

権限分離の考え方や仕組みは、OSで異なる。
下記のように、Windowsでは一般ユーザーと管理者を明確に使い分けられるため、このページでは主にWindows環境を前提として説明する。

Windows

  • 管理者アカウントと一般ユーザーアカウントを分離して運用しやすい
  • UACによって必要な時だけ管理者権限を利用できる
  • 一般ユーザー運用が推奨

macOS

  • 管理者アカウントでも認証を要求される場面が多い
  • Windowsより誤操作しにくい
  • ただし推奨は一般ユーザー運用

スマートフォン・タブレット

  • PCのような権限分離はない
  • アプリごとの権限管理が中心

一般ユーザー権限と管理者権限とは

一般ユーザーアカウントの権限と管理者アカウントの権限の違いは、行える操作の範囲にある。

一般ユーザー権限で出来る主な操作

文書作成・メール・Web閲覧・印刷など、日常利用の大半は一般ユーザー権限で問題なく行えるので、普段の業務にはほとんど支障がない。

操作WindowsmacOS
Web閲覧
メール
Office・文書作成
写真・動画の閲覧・編集
ファイル作成・保存
印刷
ネットワーク利用

一般ユーザー権限では制限される主な操作

一方で、システム全体に影響するような操作は、一般ユーザー権限では制限される。
これらには管理者アカウントが持つ管理者権限が必要になる。

操作WindowsmacOS
ソフトウェアのインストール△(管理者認証)△(管理者認証)
システム設定変更△(管理者認証)△(管理者認証)
他ユーザー管理××
セキュリティ設定変更×△(一部は管理者認証)
OSの重要設定変更×△(管理者認証)

なぜ使い分けるのか

管理者権限では

  • システム設定の変更
  • セキュリティ設定変更
  • ソフトウェアのインストール

などの、デバイス全体に影響を及ぼす大きな操作ができる。

そのため、誤操作やマルウェア感染、不正アクセスによる被害もシステム全体へ及びやすくなってしまう。
日常利用は一般ユーザーアカウント、設定変更時だけ管理者アカウントを利用することで、万一のときの被害範囲を限定し、損害を小さくできる。

下記のように、一般ユーザー権限でデバイスを使用すれば、データへの被害は防ぎづらいが、システムへの被害は限定化できる可能性が高くなる。

被害・操作一般ユーザー運用による被害限定効果説明
システム設定の改竄管理者権限が必要になる
セキュリティ設定の変更Defenderやファイアウォールなどの変更は制限される
ソフトウェアのインストール○(多くの場合)管理者認証が必要になることが多い
ドライバーの導入管理者権限が必要
他ユーザーへの影響他ユーザー領域の変更は困難
再起動後のマルウェアの継続作動システムサービスなどの登録は制限される
ブラウザ保存データの窃取×利用中ユーザーのデータは読み取られる可能性がある
文書・写真などの窃取×利用中ユーザーがアクセスできるデータは対象になる
ランサムウェアによる暗号化×利用中ユーザーのファイルは暗号化され得る
フィッシング・情報入力×利用者自身が入力すれば防げない
Cookie・セッション情報の窃取×利用中ブラウザの情報は狙われる可能性がある

UACとは

UACという仕組みも、Windowsの権限運用では非常に重要な概念になる。
これは利用者の権限をコントロールするための仕組みで、ざっくりと下記のようなことを行っている。

  • 一般ユーザーには、管理者アカウントの資格情報がなければ管理者操作を行わせない
  • 管理者アカウントに対して、管理者操作を行おうとしている旨の確認画面を出す

少し詳しく言えば、一般ユーザーで利用していてもソフトウェアのインストールなどではUACに管理者アカウントの資格情報を入力することで、その操作だけ一時的に管理者権限を使えるようになる。
毎回ログアウトして管理者アカウントへ切り替える必要はなく、利便性と権限分離をバランスよく実現できる。

管理者アカウントで利用している場合でも、Windows11では通常時は制限付きトークン(一般ユーザー相当)で動作し、管理者権限が必要な操作だけUACによって昇格する。そして管理者権限が必要な操作のときだけUACが確認ウインドウを出す。このときはIDとPWまで要求されず、「はい」だけでよい。

つまりUACは、

  • 一般ユーザーには管理者資格情報を要求し
  • 管理者には管理者権限で実行することの確認だけをさせる

ことで、利便性と安全性を両立する仕組みである。

ちなみに、UACを全く出さずにすべての操作を行えるアカウントは、組み込みAdministratorと呼ばれ、保守やセーフモードなど一部のシーンでの使用に限定されている。

よくある疑問

一般ユーザーと管理者は別アカウントなの?

基本は別のアカウントとなる。

毎回管理者へログインし直す必要はある?

その必要はない。一般ユーザーでログインしたまま、必要な操作だけ管理者資格情報を入力して実行できる。

一般ユーザーで作ったファイルは管理者から見えない?

基本的には管理者からもアクセス可能。

一般ユーザーではソフトをインストールできないの?

できる。ただし管理者アカウントの資格情報が必要になる。
UACに管理者アカウントのID・パスワードを入力すると、その操作だけ管理者権限で実行される。

管理者アカウントのID・パスワードを知らないとソフトはインストールできない?

その通り。一般ユーザーアカウントでは、管理者アカウントの資格情報が分からなければ管理者権限が必要な操作は実行できない。

管理者で設定変更すると一般ユーザーにも反映される?

システム全体の設定なら反映される。

一般ユーザーで使うとデバイスが侵害されても安全なの?

安全とまでは言い切れないが、

  • システムの変更
  • 新たなツールのインストール
  • セキュリティ設定変更
  • 証拠隠滅

などを行なうことは難しくなり、被害の範囲を限定しやすい。

管理者は遠隔から利用者を監視できる?

できない。遠隔管理や監視はMDM・RMMなど別の仕組みである。

小規模環境ではどう考え実装するか

一つの例として、以下のように使い分けると利便性と安全性のバランスが良くなる。

家庭

  • 子供・高齢者には一般ユーザーアカウント。
  • 親などIT管理者だけ管理者アカウント

SOHO

  • 社員は一般ユーザーアカウント。
  • 社長やIT担当だけ管理者アカウント。

個人利用

管理者アカウントのまま運用する人も多いが、一度設定してしまえば日常利用の不便は少なく、安全性だけを高められるのでセキュリティを重視するなら権限分離を検討したい。

まとめ

  • 権限管理の考え方はOSによって異なる
  • Windowsでは権限分離を特に活用しやすい
  • 日常利用は一般ユーザーアカウントが推奨される
  • 管理者権限は設定変更時だけ利用するようになっている
  • UACによって利便性と安全性を両立できる