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目的
VPNを導入することが決まったら、次に「誰が」「何へ」「どこまで」アクセスできるのかを細かく検討していく。
VPNは内部ネットワークへ接続するための仕組みだが、接続した利用者がネットワーク全体へ自由にアクセスできる状態は危険である。その端末やアカウントが乗っ取られた場合、同じネットワーク内に混在しているすべての機器へ被害が広がるからだ。
なにも決めずVPNを導入すると、すべてのアクセス者がどこにでもアクセスできる状態になりがちで、これは大変危険な状態である。
そのため、ここでは利用者と接続対象を整理して、後続のVPNサーバー配置設計や認証方式選定の前提となるリモート接続ポリシーとして作成する。
利用者を整理する
まずVPNを利用する可能性がある利用者を洗い出す。
SOHOの例
- 自分
- 従業員
- 外部委託先
- 保守業者
ホームネットワークの例
- 自分
- 家族
VPN利用者ごとに必要な権限は異なる。立場ややりたいことに応じて、接続の必要性と範囲を切り分けていくつかのグループにしておくとよい。
例:業務データにアクセスする「社員A」と「社員B」は同一権限でよく、それらを統括する「部門責任者」とはグループを分ける など
接続対象を整理する
VPN接続後に利用する機器やサービスを決めておく。
接続機器の例
- NAS
- 業務PC
- サーバー
- FileMaker(Server機内のオンプレミス)
- ネットワーク機器
- ネットワークカメラ
接続できる先が増えるほど、侵害時の影響範囲も広がる。そのため、利用者ごとに本当に必要な接続先のみを許可することになる。使わない機器への通信経路はあらかじめ遮断しておくことが、安全性を維持するための基本となる。
利用者と接続対象を対応付ける
利用者ごとにアクセスを許可する対象を表にして整理してみる。
| 利用者 | 接続対象 |
|---|---|
| 自分 | NAS・FileMaker・ルーター |
| 従業員 | NAS・業務システム |
| 保守業者 | 特定サーバーのみ |
| 家族 | NASのみ |
全員が全機器へ接続できる状態はできるかぎり避けるべき。役割に応じた最小限の結びつきに留めることで、設定ミスや誤操作を含め、様々なトラブルのリスクを減らすことができる。
次工程へ引き継ぐ内容
以下が整理できていれば完了とする。
- VPN利用者
- 接続対象
- 利用者ごとの接続先
明確なアクセス基準が決まることで、不要な通信によるセキュリティリスクの発生を防ぐことができる。次の「VPNサーバーの配置設計|どこに設置し何へ接続させるかを決める」では、今回整理した内容をもとに、VPN接続後に到達可能な範囲、VPNサーバーの設置場所、VLANとの関係を設計していく。
