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ルーターへDNSフィルタリングサービスを設定すると、LAN内の端末へまとめてDNSフィルタリングを適用しやすくなる。
基本的には端末ごとに設定する必要がなく、新しい端末を追加した場合も管理しやすい導入方法である。
一方で、端末側でDoHやDoT、VPNなどを利用している場合は、ルーターの設定が利用されないこともある。本ユニットでは、そのような例外も含めて設定方法と確認方法を解説する。
設定前に確認すること
利用するDNSフィルタリングサービス
利用するDNSフィルタリングサービスを決めておく。サービスによってDNSサーバーアドレスや利用できる機能は異なるため、事前に確認する。
DNSサーバーアドレスを控える
ルーターには、利用するサービスが公開しているDNSサーバーアドレスを設定する。一般的な家庭用ルーターでは、DoHやDoTではなくIPv4またはIPv6のDNSサーバーアドレスを入力する場合が多い。
ルーターの管理画面へログインする
設定変更を行うため、ルーターの管理画面へログインする。
設定変更後に再起動が必要な機種もあるため、作業時間に余裕を持っておく。
WAN設定とLAN設定の役割
ルーター自身とLAN内のデバイスは、それぞれがDNS問い合わせを行なう。そのため、ルーターによってはWAN側とLAN側で別々にDNSサーバーを設定できるようになっている。
WAN設定はルーターが利用するDNSサーバーを指定する
WAN設定では、ルーター自身が利用するDNSサーバーを指定する。
また、LAN内の端末から受け取ったDNS問い合わせをルーターが中継する構成では、このDNSサーバーへ問い合わせを転送する。
LAN設定は端末へ通知するDNSサーバーを指定する
LAN設定(DHCP設定)は、LAN内の端末へ通知するDNSサーバーを指定する。
機種によっては、
- ルーター自身を通知する
- 外部DNSサーバーを直接通知する
のどちらかを選択できる。
ルーター経由と直接の違い
LAN設定でルーター自身を通知した場合は、端末はルーターへDNS問い合わせを送り、ルーターがWAN側で設定したDNSサーバーへ転送する。
PC
↓
ルーター
↓
DNSフィルタリングサービス
一方、LAN設定でDNSフィルタリングサービスを通知した場合は、端末がそのDNSサーバーへ直接問い合わせを行う。
PC
↓
DNSフィルタリングサービス
基本的なドメインブロックの効果に大きな違いはないが、利用するサービスによっては管理方法や利用できる機能に違いが生じる場合がある。
WAN設定とLAN設定を分けられる理由
WAN設定とLAN設定を分けられるルーターでは、ルーター自身とLAN内端末で異なるDNSサーバーを利用できる。
例えば、
- ルーターはISPのDNSを利用する
- LAN内端末はDNSフィルタリングサービスを利用する
といった構成が可能である。
また、DNSキャッシュやDNSリレーなど、ルーターの機能を利用するためにLAN内端末をルーター経由にする構成もある。
家庭やSOHOでは、このような細かな使い分けを行う機会はあまり多くない。
家庭やSOHOでは、特別な理由がなければ、WAN設定しかない機種ではWAN側へ設定し、WAN設定とLAN設定の両方がある機種では両方へ同じDNSサーバーを設定すればよい。
DNSフィルタリングサービスを設定する
WAN側へDNSサーバーを設定する
WAN設定画面を開き、利用するDNSフィルタリングサービスのDNSサーバーアドレスを入力する。ISPから自動取得している場合は、手動設定へ変更する。
LAN側のDNS設定を確認する
LAN側(DHCP)にもDNS設定がある場合は、特別な理由がなければ、WAN側と同じDNSサーバーを設定する。
設定を保存・反映する
設定を保存し、必要に応じてルーターを再起動する。端末側はWi-Fiの再接続やIPアドレスの再取得を行うと、新しい設定が反映されやすい。
正しく設定できたか確認する
端末が参照しているDNSサーバーを確認する
Windowsではipconfig /all、LinuxやmacOSではdigやnslookupなどを利用すると、端末が参照しているDNSサーバーを確認できる。
ただし、端末が参照しているDNSサーバーとしてルーターのIPアドレスが表示される構成では、その先でどのDNSサーバーへ転送されているかまでは確認できない。
DNSフィルタリングサービスが利用されていることを検証する
DNSフィルタリングサービスの管理画面やダッシュボード、確認ページ、テスト用ドメインなどを利用し、実際にサービスが利用されていることを確認する。
ルーターをDNSサーバーとして利用する構成では、この方法で確認する方が確実である。
利用時の注意点
DoH・DoTによってルーターの設定が利用されないことがある
ブラウザーやOSでDoHやDoTが有効になっている場合は、ルーターで設定したDNSサーバーではなく、端末側で指定されたDNSサーバーが利用されることがある。
DNSフィルタリングが期待どおりに動作しない場合は、端末側の設定も確認する。
VPN利用時はDNSサーバーが変更されることがある
VPNサービスによっては、VPN事業者が提供するDNSサーバーを利用する。
その場合は、ルーターで設定したDNSフィルタリングが適用されないことがあるため、VPNサービスの仕様も確認してみる。
次に行うこと
ルーターへ設定することで、LAN内の多くの端末へDNSフィルタリングを適用しやすくなる。一方で、外出先では自宅やオフィスのルーターを経由しないため、そのままでは利用できない。
ノートパソコンやスマートフォンを持ち出して利用する場合は、端末側へのDNSフィルタリング設定も行う必要がある。
