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UPSとは
UPS(Uninterruptible Power Supply:無停電電源装置)は、停電や瞬間的な電源断が発生した際に、接続された機器へ一定時間電力を供給する装置である。
UPSの目的は長時間機器を動かし続けることではなく、保存処理や安全なシャットダウンを行う時間を確保することである。
主な特徴
- 停電時に一定時間電力を供給する
- 瞬間的な停電(瞬電)でも機器を停止させない
- 安全なシャットダウンを支援する
なぜUPSを導入するのか
突然の停電では、機器が正常終了できず、様々な障害が発生する可能性がある。
例えば
- 保存中のデータが破損する
- OSなどのシステムが破損する
- データベースが破損する
- 機器が物理的に故障する
UPSは、このようなリスクを軽減するために利用される。
発電機との違い
どちらも停電時の電源として利用されるが、目的は異なる。
UPS
- 数分から数十分程度の給電
- 停電直後から自動で動作する
- 機器の安全な終了を目的とする
発電機
- 長時間の給電が可能
- 燃料が必要
- 業務継続を目的とする
UPSの主な種類
UPSは給電方式によっていくつかの種類に分けられる。
常時商用給電方式(オフライン方式)
通常時は商用電源をそのまま利用し、停電時だけバッテリーへ切り替える。
構造がシンプルで価格も安いが、切替時間が発生する。
ラインインタラクティブ方式
通常時は商用電源を利用しつつ、電圧変動を補正できる方式。
電源品質は常時インバーター方式ほど高くはなく、わずかな切り替え時間も発生する。
価格と性能のバランスがよく、家庭やSOHO向けUPSで最も広く採用されている。
常時インバーター方式(オンライン方式)
常にインバーターを介して電力を供給する方式。
電源品質が最も高く、切り替え時間も無いためサーバーや重要システムなどで利用されることが多い。
ただし価格が高く消費電力も高く、小規模な環境ではオーバースペックになりやすい。
切り替え時間について
サーバーやPC、NASの電源にはコンデンサが搭載されており、数ms~十数ms程度であれば電力を保持できる。そのため、正常な電源であれば、この程度の切替時間では電源が落ちることはほとんどおこらない。
切替時間 > 電源が保持できる時間 になると機器の電源が強制的に切れてしまうので、切り替え時間はゼロに近いほど安心である。そのため安心感と価格とのバランスがよいラインインタラクティブ方式が選ばれることが多い。
正弦波と疑似正弦波
UPSには出力する電気の波形にも違いがある。
正弦波
家庭用・業務用PCやNASなど幅広い機器で利用できる。
現在はこちらが一般的である。
疑似正弦波(矩形波を含む)
比較的安価な製品に採用されることが多い。
一部のPCや電源では正常に動作しない場合があるため、利用機器との相性確認が必要である。
小規模環境ではどう考えるか
瞬間的な停電(瞬電)は気付きにくいものの、電力設備の切替や落雷などにより発生することがある。
たとえ一瞬であっても電力供給が途切れた電子機器はバッテリーを積んでいないかぎり強制終了してしまうことがあるので、停電経験がなくてもUPSは導入しておきたい。
家庭やSOHOでは、すべての機器へUPSを導入する必要はなく、優先したいのは次のような機器である。
データの保護目的
- サーバー
- NAS
- デスクトップPC
ネットワークの継続性目的
- ONU
- ルーター
- スイッチ
- 電話機
また、多くのNASはUPSと連携し、停電時に自動で安全なシャットダウンを実行できる。
家庭やSOHOでは、ラインインタラクティブ方式・正弦波出力のUPSを選ぶことが多い。
まとめ
- UPSは停電時に一定時間電力を供給する装置である
- 目的は長時間の運転ではなく安全なシャットダウンである
- 瞬間的な電圧低下や瞬電から機器を保護する意義も大きい
- 発電機は機器を使い続けるため、UPSは瞬電保護とシャットダウンの時間稼ぎである
- UPSには給電方式や出力波形の違いがある
- 小規模環境ではNASやネットワーク機器の保護に有効である
