当ページは検証・整備中のドラフトです。
内容は実環境での検証や追加調査により変更される予定です。
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エアギャップバックアップとは、バックアップデータを通常のネットワークやシステムから切り離して保管する運用方法である。
「バックアップ方針の策定」で、ランサムウェア対策としてエアギャップバックアップを採用すると判断した場合は、本ページを参考に運用方法を設計する。
エアギャップ運用を設計する
なにを保護するか
エアギャップバックアップは、すべてのデータに対して行なう必要はない。
まずは、ランサムウェア被害時でも必ず残したいデータを整理する。
設計時には次の項目を決めておく。
- 保護対象(業務データ、写真、設計資料など)
- データ容量
- 更新頻度(毎日・毎週・毎月など)
- 保持世代(何世代残すか)
- 復旧優先度(最優先・通常・不要)
ここで決めた内容は、バックアップ媒体の容量や取得頻度だけでなく、保管方法や保持世代の設計にも影響する。
実装方法を決める
保護対象が決まったら、その運用を実現する手段を選択する。小規模環境ではUSB HDDやNASが中心となるが、ユースケースによって適した方法は異なる。
各手段とメリットデメリット
| 方法 | メリット | 向くユースケース | 注意点 |
|---|---|---|---|
| USB HDD・SSD | 安価で導入しやすく完全な物理切り離しが可能 | 個人・一般家庭 | 接続・保管を手作業で行う必要がある |
| NAS | 自動化しやすく容量も確保しやすい | SOHO・小規模事業所 | エアギャップを実現するには、外部ストレージへの退避やバックアップ専用NASなど別途運用を設計する必要がある |
| クラウドストレージ | 遠隔保管しやすい | 災害対策も兼ねたい環境 | 同期だけではエアギャップにならないため運用方法を確認する |
| バックアップ専用サーバー等 | 大容量・多人数に対応できる | 小規模事業所 | 管理コストが高く専門知識も必要になる |
ユースケース別のおすすめ構成
個人
USB HDDを1〜2台用意し、定期的に接続してバックアップした後は取り外して保管する方法が導入しやすい。
一般家庭
共有データはNASへ集約し、そのNASを定期的にUSB HDDなどへエアギャップバックアップする構成が管理しやすい。家族ごとに個別運用するより、共有データを一元管理できる点もメリットである。
SOHO
NASによる自動バックアップに加え、USB HDDなどへ世代管理しながら退避すると、運用負荷と安全性のバランスを取りやすい。
小規模事業所
バックアップ専用NASや専用サーバーを利用し、自動バックアップとエアギャップを組み合わせることで、業務停止リスクを抑えやすい。
運用ルールを決める
エアギャップは「導入」ではなく「運用」が重要である。担当者が変わっても同じ手順で継続できる運用を目指したい。
例えば次のような手順をルール化しておく。
- PCやNASに異常がないか確認する
- バックアップ媒体を接続する
- バックアップを実行する
- 完了を確認する
- 安全な取り外しを行う
- 保管場所へ戻す
- 次回まで接続しない
エアギャップは、一度導入して終わりではない。担当者が変わっても同じ手順で運用できるよう、チェックリストや手順書として残しておくことが重要である。
運用時の注意点
エアギャップバックアップは、運用を誤ると期待した効果が得られない。
運用時は次の点を確認する。
ランサムウェア感染が疑われるPCには接続しない
物理隔離された媒体(外付けHDD等)をPCに接続する前に、必ず端末が正常に動いているか目視で確認する。ファイルの名前(拡張子)が勝手に変わっていないか、不審な画面が表示されていないかをチェックし、少しでも異常を感じたらその日の接続・更新は即座にストップする。
更新作業は単一の目的のみで行う
媒体を接続している間は、Webサイトの閲覧やメールの開封など、外部とデータが流れる経路になる他の作業を同時に行ってはならない。バックアップのデータ転送という単一の目的だけを速やかに実行する。
処理完了後は速やかに物理切断する
データの転送が完了したら、出来る限り速やかにケーブルを外すなど、隔離状態に戻すようにする。
バックアップは複数世代で管理する
バックアップ媒体を1台だけで運用すると、その媒体が故障したり、誤って上書きしたり、感染した状態で更新してしまった場合に復旧手段を失う恐れがある。複数世代を保持し、媒体をローテーションしながら運用することで、過去の正常なデータへ戻れる可能性を高められる。
定期的に復元テストを実施する
バックアップは取得して終わりではない。実際に復元できて初めて意味がある。定期的にテスト用のファイルやフォルダを復元し、手順や媒体に問題がないことを確認しておく。
必要に応じてイミュータブルバックアップとの併用も検討する
エアギャップは「切り離して守る」運用である。一方、イミュータブルバックアップは「接続したまま変更を禁止して守る」仕組みである。
両者は競合するものではなく、それぞれ異なる方法でバックアップを保護するため、重要なデータでは組み合わせて運用することも有効である。
まとめ
- エアギャップバックアップは、導入よりも運用設計が重要である
- 保護対象・容量・更新頻度・保持世代を整理してから実装方法を決める
- 環境に応じてUSB HDD、NAS、専用サーバーなどを使い分ける
- 運用ルールを決め、毎回同じ手順で実施する
- エアギャップは、適切な運用ルールを継続して初めて効果を発揮する。
